帝王切開の恐怖から3年以上続いたトラウマ

私は、予定帝王切開で出産をした。
そのことがきっかけで3年以上、トラウマになってしまった話。

先に注意しておきたいのは、
帝王切開をした友人に私と同じ経験をした人はいないので私に限ってかもしれない。
帝王切開、麻酔、体質、ホルモンバランス、育児など、
様々なことが絡み合って起きたことだと思う。

私がお世話になった産院は、帝王切開の場合、部分麻酔と全身麻酔を併用していた。子供を取り出したあと、寝ない程度に全身麻酔がかかっている状態になる。

全身麻酔の効き具合が合っていなかったのか、私の性格的に敏感になってしまうのか、

まったく動けないのに頭がはっきりしている状態で
首が突っ張っているような状態になってしまった。
目も開けれない。
とにかくつらい。
こわい。

夫が声をかけてくれるが、必死で声を絞り出す。
金縛りにあったとき(寝ているときに寝ていると気づいて)起きようとする感じに似ている。

「大丈夫だから帰っていいよ」といった。必死で声を出しているはずは、呂律も正常で自分でも驚いたのを覚えている。
さっきまで話せたのに、目もあけれないししゃべるのもままならないので、そう言うしかなかった。
夫からすると、目を閉じた妻がさらっといっているように見えていたと思う。(あとで聞いてみよう)

先生や看護師さんの声かけも聞こえる。
必死で返事をする。
麻酔医の方の「大丈夫?」が今もひっかかっている。
手術前に麻酔効かなかったら…と怖がっていたので強くしすぎたんではないか?!

脱線から戻って。。
看護師さんが、動かそうをすると回復が早いですよ
という趣旨のこと言ったので、必死で「動け・・動け・・」と念じて動かそうをしていた。
何時間経ったか、私の周りで看護師さんが集まって慌てだした。
出血が多い、止まらないらしい。
私は、顔も体が動かず、されるがまま。
なんとか、止まったらしく大事にならなかったが、母子手帳には「出血多量」の文字が残っている。

朝型ようやく、手足が少しずつ動くようになって
自室に向かうときには自分で歩いていった。

看護師さんはすごいですよー!とほめてくれたが、
私は、やっと生き地獄から抜け出したという感覚。

おそらく、このことがきっかけで退院後、
「死ぬ」ことへの恐怖が過剰になってしまった。

あの麻酔の動けない一夜を「死」に結び付けてしまったんだと思う。

ベッドに入って、寝るときに強い恐怖が沸き起こるのである。
このまま死んでしまったらどうしようという恐怖ではなく、いつか死ぬことが怖くてどうしようもなくなるのだ。火葬中に目がさめたらどうしようと真剣に悩んだりする。
燃やさなければいいのか、土の中で息を吹き返したら?臓器を提供すれば、、いや、誤診で本当はまだ寿命があるのに臓器だしたら、あーーーもうダメだ!!と。

ベッドに入ると考えてしまうので、布団で静かに眠りに入ることも怖くなってくる。
さらに、少し音がすると、侵入者が来たんじゃないかと本当におびえていた。
鼓動が早くなって、わぁ!と飛び上がりたい衝動。

思い出せることをこう書き記すと、やっぱりあのとき精神的におかしかったんだと納得する。
これが不眠のきっかけだったのかもしれない。

1年程経って、夫に死の恐怖心について話した。話すことで解決ことに期したが、そうはいかなかった。
悪化したことに自覚しなくなっていたら病院に連れて行ってほしいとお願いをした。

産後うつの可能性と考えて、3年以上経っても改善されなかったら、病院に行こうと思った。産後うつは3年続くことがあるらしいと情報があったからだ。

あのころの私に言いたい。
つらい思いを長く続ける必要はないよ。病院に行きな?と。
でも、きっと絶対行かないんだろうなぁ。

でも、4年後は改善しているから安心してね。
あのとき、「人は忘れる生き物だから大丈夫…」と諦めなかったのは正解。(へんなプラス思考)

今ようやく、突然震え上がるような恐怖心は感じなくなった。
そういえば・・・最近ないなぁという感じ。
たまに、家族が寝静まって暗い部屋にいると怖くなることはあるくらい。

きっと、4年かけて記憶が薄れつつあるからだと思う。
本当に抜け出せてよかった。

数カ月前、産婦人科に、
全身麻酔なしに帝王切開は可能だと聞いた。
妊娠出産の予定はないが、なんだか安心した。

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